『ファイト・クラブ』と『12モンキーズ』、『アメリカン・ヒストリーX』
第1回は、
主演は、エドワード・ノートン。
準主演は、ブラッド・ピット。
本作は、ストーリーについてはまったく何も知らずに観たほうがいい。
ですのでここでもストーリーには一切触れません。
今から20年も前の作品ですが、名作です。
ブラッド・ピットが、『リバー・ランズ・スルー・イット』(1992)の頃の甘い印象から、『セブン』(1995)や『12モンキーズ』(1995)を経てやさぐれて辿り着いた役が、本作のタイラー・ダーデンでしょう。
前半で着ている、おそらくレザーの赤いジャケット(ブランド不明)がかっこいい。他はカルバン・クラインのシャツ、アルマーニのネクタイ、ダナ・キャラン・ニューヨークの靴(劇中の台詞より)。
しかしタイラーは退廃的な人物。
退廃的でありながら、消費社会に疑問を持つタイラーが創設したクラブは結社となり、世界を変えようとします。
これは、『12モンキーズ』でピットが演じたジェフリーに通じるものがあります。
ジェフリーは、精神病患者ですがやはり自分たちが正しいと思う目的のために世界を変えようとする人物です。
(本作に限らず、アメリカの映画では、現在の既成の世界を変えるには、一度すべてを破壊するしかない、という考え方をする登場人物が多い気がします)
エドワード・ノートンが本作公開の前年である1998年に出演した『アメリカン・ヒストリーX』では、アメリカのネオ・ナチストを演じています。
ネオ・ナチストは頭髪を丸刈りにすることが特徴ですが、ノートンも丸刈りにして登場します。
そんなわけで、まるでエドワード・ノートンとブラッド・ピットが出演したそれぞれの上記の過去の作品から結社の要素を抜き出して一つにしたような作品になっていると、私は感じました。
なお、エンディング曲はピクシーズの『Where is my mind』で、
作中の退廃的でありながら共感できるような雰囲気に、よく合っていました。
私がこれまで見た映画のエンディング曲ベスト10に入れたいと思います。